引用ある地方の温泉地で硫化水素中毒による死亡事故が発生した。地球化学の研究者・青江が警察の依頼で事故現場に赴くと若い女の姿があった。彼女はひとりの青年の行方を追っているようだった。2ヵ月後、遠く離れた別の温泉地でも同じような中毒事故が起こる。ふたりの被害者に共通点はあるのか。調査のため青江が現地を訪れると、またも例の彼女がそこにいた。困惑する青江の前で、彼女は次々と不思議な”力”を発揮し始める。
※本の背表紙にある紹介文より引用
東野圭吾さんが大好きで、読む小説の大半は東野圭吾さんのものです 笑
今回は「ラプラスの魔女」を読みました。
読み始めたきっかけは「映画化」です。ミーハーですよね。発売当初にも気になってはいたのですが、文庫になってから読もうと思いすっかりと忘れていました。
では、本編についての感想を書いていこうと思います。
若干のネタバレも含みますので、これから読もうと思われている方はお気をつけください。
ラプラスの魔女の感想
ラプラスの魔女は、プロローグに始まり全40章の中長編の小説です。
プロローグ
ヒロインである「羽原円華(ウハラマドカ)」が登場。
実家の旭川の家から母親と一緒に自転車で祖父を迎えに。その途中に黒い巨大な円柱が追いかけてくる。大きな竜巻だ。
逃げるように近くの事務所に避難をするが、たちまちその大きな竜巻に飲み込まれてしまう。
羽原円華(ウハラマドカ)
特別な存在になっている羽原円華。そのボディーガードとして、武尾徹が雇われた。ただし、羽原円華には質問をしてはいけない。
羽原円華の側にいると、しばしば不思議なことが起こる、すごく長い時間紙飛行機を飛ばす。思いのままに風船を操る、など。
なぜそんなことが起こるのか(起こせるのか)を羽原円華に聞きたいが、「質問はしてはいけない」ため、ぐっと堪える。
甘粕謙人(アマカスケント)
11月の赤熊温泉で事件が起きる。66歳の夫と26歳の妻。60歳の夫が硫化水素中毒による事故で亡くなる。遺産目当てに若い妻が殺したのではないか?という憶測を呼ぶが、その証拠は一切ない。
不思議なこととしては、その事故現場に甘粕謙人がいたことだ。ただし、事故発生の2ヶ月前に。
青江修介(アオエシュウスケ)
泰鵬大学教授の青江修介は赤熊温泉の事故調査を警察から依頼される。付近に溜まった硫化水素中毒を吸ってしまい中毒死をした事故としての調査依頼である。
しかし何度調べても。致死量に達する硫化水素が自然に滞留する状況は確認ができなかった。定期的には発生しない。あるとすれば、突発的な発生である。
全体の感想
羽原円華、甘粕謙人、青江修介を中心に物語りは進んでいく。
中でも目を引くのは「甘粕謙人」の変化と才能。更には、羽原円華の才能も。
硫化水素による事故死が連続し、その調査にまい進する青江修介。それぞれの事故は、場所も、関わっている方も違うのだけど、小さな共通点があることに青江は気が付く。
共に、共通する人物が現場付近で確認されていることだ。しかし、到底犯人ではないことはわかっている。
ではなぜ、遠く離れた事故現場に現れるのか?
ラプラスの魔女。ちなみに「ラプラス」とはフランス語で「広場(place)」を意味する。
あるいは、「ラプラスの悪魔(未来の決定性を論じる時に仮想された超越的存在の概念)」という言葉もある。
東野圭吾氏の「ラプラスの魔女」とはどういった意味なのか?超越的存在、広場、あるいは。
もし、自然現象を操れる人物がいたとしたら?いや、予測できる人物でもいいかもしれない。
事故に見せかけて殺人を犯すこともできるのではないだろうか。
一気に読了しました。もともと好きな作家さんでもあり、その文章の書き方は好きですので、違和感なくスラスラと読み進められました。
もちろん、そのストーリーに魅了されたことが一番の理由ですが。
読み終えて、「ラプラスの魔女」という表題の意味がすごくしっくり来ました。
前日譚の「魔女の胎動」はまだ読んでいませんので、近いうちに読もうかなと思います。
読み終えたらその内容もこちらへ記載していきますので、ご期待ください。
映画の情報
公開日
2018年5月4日
配給
東宝
原作
東野圭吾「ラプラスの魔女」(KADOKAWA刊)
監督
三池崇史
脚本
八津弘幸
主題歌
Alan Walker / アラン・ウォーカー『FADED / フェイデッド』
キャスト
櫻井翔さんが青江修介役ってことは、大学教授の青江を中心にした映画なのだろうか。
個人的には、豊川悦司さんの甘粕才生役がどはまり。あの奇才っプリは、「半分、青い」の秋風羽織を思い出す 笑
青江修介 | 櫻井翔 |
羽原円華 | 広瀬すず |
甘粕謙人 | 福士蒼汰 |
奥西哲子 | 志田未来 |
水城千佐都 | 佐藤江梨子 |
桐宮玲 | TAO |
中岡祐二 | 玉木宏 |
武尾徹 | 高嶋政伸 |
羽原美奈 | 檀れい |
羽原全太朗 | リリー・フランキー |
甘粕才生 | 豊川悦司 |
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